犬の皮膚病コラム

犬の食物アレルギーの見分け方

食物アレルギーと皮脂トラブルによるアレルギーがありますが、食物アレルギーの場合の見分け方を説明します。

あなたの愛犬は、多くの場合、
食事がアレルギーの原因ではない!?

私が「アレルギーですね」と言うと、飼い主さんの多くは、食事アレルギーですか? 食事の何が悪かったのですか?今食べている食事はこれですが・・・。
このように、すぐにお話は始められます。
しかし、多くの場合、食事がアレルギーの原因ではありません。
ということは、何を食べてもアレルギーは起こらず、食材を制限する必要はありません。(皮脂膜コントロールのために含まれる油のコントロールは必要ですが)
でも、やっぱり食事アレルギーがあるのでは?とご心配される飼い主さんが多くおられるのも現実です。
では、私が「食事アレルギーがこの子あるかも」と思う瞬間をご説明します。違ったら、食事アレルギーではないと思ってください。


1、全身に小さな
蕁麻疹のような湿疹がみられる。

通常、食事以外のアレルギーの症状は、背中側のみとかお腹側のみとか部分的に起こり、全身に症状が及ぶということは少ないです。
食事性アレルギーだけが、全身にそれもどこも同じような症状がみられます。
かゆみはその他のアレルギーより強いようにおもえます。


2、ステロイドを使っても、
あまり効果がみられない

食事性以外のアレルギーでは、
ステロイドを試しに使うとすぐにかゆみが落ち着きます。
食事性の場合、適正量のステロイドを使ってもあまりかゆみが治まりません。


3、お薬にあまり反応しない頑固な
下痢をしている。

食事アレルギーは全身にあらわれます。
ということは、腸の中にもアレルギーが起こっています。
そのため、消化がうまく行かずに、慢性のしつこい下痢をしていることが多いです。
この3つの瞬間がなければ、あまり食事アレルギーは考えないでください。どちらかというと、皮脂トラブルによるアレルギーの方が可能性が高いでしょう。